Yさんと初めてお出会いしたのは34年前の春。非常に印象深いお出会いでした。
当時Yさんは58才、なかなかダンディーな服装で首元の、赤いアスコットタイが印象的でし
た。体系もスリムで顔の掘りも深く、なかなかの男ぶりが。
Yさん「生まれが北海道で比叡山にね~、珍しいね~」と私の身の上話をあれやこれや。
暇なのか毎日お訪ね下さいました。その度にお菓子やバナナを頂きました。
まだ定年なのかどうなのか?時間がお有りのようでした。
Yさん「旅行はどんな所に行きました。」
私「以前はいろいろと、中国もいきましたよ。」
Yさん「どんなところかな?
私「天台宗は~と、2年前に行った、中華人民共和国浙江省台州市天台県にある、中国天台宗総
本山「国清寺」のお話を。」
Yさん「行きたいね~。」
私「そうですね、無事に住職になれましたら、一度考えてみましょう。その時には是非
に」と、そのような話の毎日で、よ~くお人さんの家庭の事情等を熟知されているかの御様子で
した。
ある時Yさんのお隣のSさんが来られ、「Yが毎日来て困りませんか?
あれは若い時から仕事もしないで、毎日フラフラとしてるもんで、お寺が迷惑かと。」
私「いいえ~、多少は。」
Sさん「チートきたえてやって下さい。」
私「わかりました、今度きましたら。」
その翌日、Yさんが来られました。
で座禅の会を週に一度していましたので「来られませんか?」Yさん「どうも座るのが苦手
で。」そうですか~、じゃ、お経の会は如何ですか?月に2回ですから。
Yさん「いや~それもチョット。」それ以来Yさんの足が遠のいたようです。
それから数カ月後、老僧のお寺から電話が、随身の方が「あの~Yさんと言う方からお電話
で、東雲寺の檀家で慈敬さんと親しくしてるんだが、仏間の書を頼みたい。」との依頼が。非常
に言いにくそうに話されました。
私「それは老僧に伝えましたか?」
随身さん「いえ、まだお伝えしていません。」
私「そうして下さい、Yさんとはお話をしますので、申し訳ありませんでした。」
早速Yさんのお家に「Yさん、実は老僧が体調を崩してまして、申し訳ありませんが書の方がお
約束出来ませんので。」と。(老僧は事実、病中でもありました。)
Yさん「速いな~、今朝、電話したとこなのに。」と、ご納得いただきました。(後日お渡しし
ましたが。)
そんなこんなでYさんは、私に、つよ~い印象に残る方です。
その中、本題のYさんの「淫心」について少し。
とに角、Yさんは良くモテたようで、武勇伝の数々をお持ちでした。
その中、2~3を紹介と考えます。
其の一
「大阪○○髭薬局と○イアグラ」
Yさんは月に一度くらい、大阪のお菓子を持って来られました。
私「いつも有難う御座います。大阪に何か用事でもありますの。」
Yさん「薬とビデオを買いに行きます、この辺りには無いもんで。」
私「そうですか~で何の薬です。」
Yさん「大阪まで行かんと無い強壮剤でよ~く効くんですよ。ついでにビデオも買ってくるんだ
が。一度、観に来ませんか。すごいよ~大迫力だから。」と。Yさん身体も弱いし、家には当
時、珍しい100インチ大画面のテレビがありました。
お隣のSさんにお尋ねすると「アノ薬を買いに行ってるんですし、ビデオはとんでもないものを
買って来て、あのテレビで観るんでタマランですよ。」と。
付け加えで「アンナもんをデッカイ画面で観たら気持ちが悪くて。」とSさんや近所の男性諸氏
の社交の場でもあったようです。私は機会を逃しましたが。残念かどうか?
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「淫心」茶色のキリギリスさん
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