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Channel: 妙観堂つれづれ日記
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現代版イソップ物語 「アリとキリギリス」

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アリさんは冬が来る事を知っているので春も夏も秋もセッセセッセと朝から晩まで「一生懸命」に働きます。
キリギリスさんも冬が来るのは知っているのでしょうが?「今」が楽しくなくてはと、毎日毎日バイオリンを弾いて楽しく過ごしていました。
ある日、キリギリスさんがアリさんに「毎日、毎日忙しく働いて楽しいの?今を楽しまなくちゃ~春も夏も秋も終わってしまいますよ~。せっかくの好い季節なのに」と。
アリさんは「冬が来ると雪が降って働けなくなるし、何時なにが起きるかわからないし、働けるときに働いて貯えをしておかないと困るので」セッセセッセと。
キリギリスさんは「こんな好い季節を楽しまないなんて」毎日、毎日楽しい日々を過ごしていました。
さて、少し寒くなり木々が色づき、色づいた葉が一葉二葉と散り、雪がチラチラと降り出しました。アリさんはお家の暖炉を囲み、一生懸命働いて貯めておいた食事を食べていました。でも一生懸命に働いた血と汗の結晶ですから無駄にすることなく大切にたいせつに、「いただきます」「ご馳走さま」と一つひとつの食事の来由を思い頂きました。
そんなある日、玄関をトントンと力なく叩く音がしました。「どなたですか?」と戸を開けると、雪をかぶりヨロヨロとしたキリギリスさんが「アリさん、寒くて寒くてお腹がすいて死にそうです。助けて下さい。」と。
アリさんは、「可哀そうにキリギリスさんどうぞお入りください。」と部屋に招き入れ寒い冬を越えて、春になるまで一緒に過ごしました。
さあ待ちに待った春がきました。アリさんは去年と同じくセッセセッセと。キリギリスさんは待ちにまった春が来た~。と季節を謳歌する楽しい楽しい日々です。
アリさんがキリギリスさんに「冬がきますよ~」と一言。キリギリスさんはバイオリンの音で聞こえないのか?「好い季節ですね~、楽しくて楽しくて。今を大切にしなければ~。」と楽しい楽しい毎日です。と何時の間にか秋が過ぎ冬の訪れです。
アリさんはお家で暖炉を囲み過ごします。とトントンと玄関を叩く音。キリギリスさんです。「キリギリスさん、どうぞ中にお入りください。」と去年と同じように。
春が来ました。キリギリスさんは去年と同じように楽しい日々の始まりです。
去年と少し様子が違います。「キリギリスさんて楽しそうで好いよね~、僕たち私たちも楽しまなくちゃ~。」とキリギリスさんには、人生謳歌主義、今を大切にする、アリさんの仲間が出来ていました。「ワイワイ~楽しいな~面白いな~」と毎日、毎日が楽しくて楽しくて、仲良く遊ぶ毎日です。
と秋が過ぎ、雪がチラチラとやはり冬がやってきました。アリさんのお家の暖炉には少しの薪が入れられ、昨年よりは暖かくありませんが。
少し様子が違うのは冬がきても、お家の中はキリギリスさんと仲間のアリさんで楽しいのです。「いただきます。ごちそうさま。」も無いのですが何とか冬が過ぎ春が来ました。キリギリスさんのお友達や仲間は去年よりも増えました。
そして、秋が過ぎ雪がチラチラと。
冬を越え桜の季節がやってきました。春が来たのです。
が誰の声もしません、アリさんの姿もキリギリスさんの姿も見えません。でも春が来て夏が来て、秋が来て、そして冬が来ました。
※2月に故郷を二男と数年ぶりに訪れました。墓参の旅です。千歳空港から日勝峠を越え帯広に、車外気温は日中でマイナス12度。十数年振りの冬の帯広です。ここが私の故郷です。「明日を来年を考えないものは生きていけない故郷です。」
「過去、現在、未来」三世の理を、ふと考させていただきました。  合掌慈拝






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