「不許葷酒入山門」(ふきょくんしゅにゅうさんもん)との字が刻まれた石柱がお寺の門前に立っているのを目にした方がおられるかと思います。
意味は、「葷酒山門に入るを許さず」(くんしゅさんもんにいるをゆるさず)葷くん
の代表は五葷(ネギ・ニラ・ラッキョウ・ニンニク・ショウガ)とされ、五辛(ごしん)ともいわれます。酒はお酒のことです。との解釈は普通に辞書を引くと出てきます。
仏教に興味のある方ですと「不許葷辛酒肉入山門」との石柱を見たことがあるかと記憶されるお方もおられると思います。(葷辛・酒・肉)
「問題」 なぜ葷・酒はお寺に入っては駄目なのでしょう、簡単に述べましょう。
五葷は臭いが強く臭気が不淨で精力がつき修行の妨げとなる。お酒は酔うし、五戒の中「不飲酒」として禁止されている。
100点満点?の模範解答かと思います。
最近はこんな解答もあります。
五葷を食べてお寺に行くと臭気がして仏さんに失礼ですし、他の方にいやな思いをさせるからエチケットマナーです。お酒も同じく臭気がするし、酔っぱらって人に迷惑をかけるので入らない。
との迷解答が多いようであります。
「うちの和尚は酒ずきで強いよな~」
「うちのぼんさんはグルメで舌がこえてるよな~」
「うちのぼうさんはワインの銘柄をよくしってるよ~」等々
ぼうさんへの誉め言葉に
「お経の声がいいですね~」
「いい衣を着てますね~」
「いい珠数や装束ですね~」等々
どうも時代の変化か?僧侶の変化か?
僧侶の変化が時代の変化にが正解でしょうが。
私にある方が「住職は何時も頭が丸刈りですね」と、どうお答えしてよいか。
「鳩の足は、裸足」ですよね。
当たり前であるべきことが、当たり前でない。
正しきこと、間違い。が判別がつかない混迷を生んでいるのかも知れません。
こんなお話を紹介して終わります。
比叡山はに肉食妻帯をされていない質素を旨とし仏道に精進される僧がおられます。その中の、お一人の方の僧の好物が、唯一『鶴喜そば』(大津市坂本町4丁目「本家鶴喜そば」)のざるそばを食べるられることでした。
食べられた僧が、鶴喜のそばは美味しいですね~と一言。
それを聞いていた方が隣の方とヒソヒソ声で
「ソバつゆに、カツオが入っているのに、美味しいだって」と。
僧は幼き頃に比叡山に入山しておられました。カツオを知っておられたかどうか。
「止観」は「八正道」の中「正見」ただしくものを見る「正思惟」ただしくものを考える」基本中の基本なのかと思います。
師僧は、「そのお方は立派なお坊さんでした。心なきものが「カツオが好きなんだ」と揶揄したが、そのような邪見なものの見方をしないように」と教示下さいました。
今日でも、比叡山中では「五葷」は固く護られていますし、守るのが普通のことです。
むずかしいですね。「心コロコロ」
合掌慈拝
付言ですが、こんな読み方「葷を許さず、酒は山門に入る」と冗談で読むお方も。
有名かどうか落語に「こんにゃく問答」なるものもあります。一度是非。
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ゴックン?ゴックン?エ~ッ、ごくんですか~?ごくん(五葷・五辛)ですね?そうだそうです。
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