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Channel: 妙観堂つれづれ日記
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「淫心」茶色のキリギリスさん② Yさんの「こいごころ・恋心」

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キリギリスさんの続きが隨分遅くなりました。妙観堂執事の公英尼が「住職、たくさんの方が

アクセスをして頂いています。続きをお願いします」とのこと。はたして、この話が適切なのか

どうか迷うところでは有るのですが。

Yさんは悪意のない、非常に純粋な性格のまっすぐな方でした。

ですから、ビデオの上映会や当地で有名な「お饅頭」での茶話会などで何時も中高年の男性諸氏

で、お家は賑わっていたようです。

昭和63年2月、お寺の企画で「中国浙江省天台山」の参拝旅行をしました。

Yさんも参加下さいました。その頃、当寺に良く来られていた中国人留学生で上海出身のRさん

に、お正月の帰郷を兼ねてご一緒いただきました。参加される方が高齢な女の方が多いので助か

りました。

Rさんは、当時、和歌山のW大学の経済学部で学ぶ才媛で、当寺で「現代中国」との演題で講演を

お願いし、お檀家の皆さんとも面識がありました。

上海―杭州―紹興―天台山国清寺―寧波―杭州―上海と5泊6日の総勢40名程の巡礼の旅でした。近

年の中国とは違い、乗り物、ホテル、食事、トイレ等々見ること聞くことが参加者の皆さんに

は、ビックリの連続の旅でした。(事前に説明をしていたのですが)特に地方の中国の皆さんに

は「日本人」は珍しいようでとても親切にして頂きました。

当時は「日中友好」が盛んに言われ、参加の皆さんも「民間親善大使」など思ったかどうか解り

ませんが非常に紳士淑女でした。

旅行3日目、紹興に宿泊の翌朝、Rさんが「先生、Yさんが夜中に部屋に来られるので睡眠不足で

疲れます」

私が「何の用事で」と尋ねますと、Rさん「ポットのお湯のこと、シャワーのこと、トイレのこ

と、お金のこと(当時中国では外国人は兌換券という外国人専用通貨を使用)明日の予定

等々」確かに初めての外国、まして中国ですからどれも聞きたいことかと思いました。Rさん

に「申し訳ないこと、今夜から夜中に聞きに行かないように言います」

とRさん「わかりました、すみませんがお願いします」と笑顔で。

Yさんに「Rさんが、夜中に訪ねられると睡眠不足で困るので、質問は昼の間にお願いしますね」

Yさん「わかりました、ご迷惑をかけました申し訳なかったですね」

2人でRさんに謝罪、Yさん財布から100元札を、Rさん「こまります」私「それはいりませんよYさ

ん」




それからは、バスの中、食事中、徒歩での移動中、何時もRさんの横で話をし、楽しそうなYさん

と少し大変そうなRさんを見かけました。

帰国後、程なくYさんが来られて「楽しい旅行でした、Rさんは上海で実家に帰ったけれど何時日

本に来ますか?親切で美しい人ですね。優しい人です」「日本にずつと住みたいと言っていたん

ですよ、日本が好きだっていってました」等々Rさんの話ばかり、私は、これはチョット不味いか

なと。

Yさん「指輪を買ったんです、これを」

私「指輪をどうするんですか?」

Yさん「Rさんに、似合うでしょうか?」

まずいまずい「親切」「愛情」の勘違い

その後Yさんと、「じっくりおはなし」をして理解をいただきました。

年齢差30才、国境を越えた思いに水を差してしまいました。

Rさんはその後、京都のK大学経済学修士を取得、現在は大阪の貿易会社で活躍

ご家族と共に日本におられます。

「こころコロコロ」親切と愛情 むずかしいですね「心・こころ」

ひょっとするとYさんの「初恋」だったのかもしれませんね。   


     
 続く


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